体制、取組み
コーポレート・ガバナンス体制と取組み
当社は、2020年6月26日開催の定時株主総会における承認に基づき、機関設計を従来の監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行しました。
監査等委員会設置会社への移行の主な目的は以下のとおりです。
ア.監査等委員である取締役が取締役会における議決権を持つことや、取締役の指名・報酬に係る株主総会に おける意見陳述権を持つこと等の法的権限の活用により取締役会の監督機能を一層強化する。
イ.取締役会の業務執行決定権限の相当な部分を業務執行取締役に委任することが可能となるため、取締役会のモニタリング型への移行を図り、取締役会においては経営戦略等の議論を一層充実させる。
ウ.2003年6月より導入している執行役員制について、イ.項の権限委任と組み合わせることにより、柔軟かつ機動的な業務執行の充実を図りながら、これを担保する適切なガバナンスと基本的な経営方針の決定を確保する監督機能の充実を目指す。
明電舎の業務執行・監視及び内部統制の模式図
コーポレート・ガバナンス体制の概要
組織形態 |
監査等委員会設置会社 |
取締役 |
人数(うち社外取締役) : 9名(2名) |
取締役(監査等委員) |
人数(うち社外取締役) : 5名(3名) |
独立役員の人数 |
5名(社外取締役2名、社外取締役(監査等委員)3名) |
(1)当社の取締役会について
取締役会は、原則として毎月1回定期的に開催するほか、必要に応じて臨時に開催し、当社の重要な業務執行に関する事項、事業課題及び経営課題に関して議論を行っています。2019年度は取締役会を13回開催し、全ての取締役の出席率は100%でした。
①取締役会の構成
当社の取締役会は、取締役14名(うち、監査等委員である取締役が5名)で構成されます。また、取締役14名のうち社外取締役が5名(うち、監査等委員である取締役が3名)で構成され、社外取締役の監督機能の実効性の確保のため、当社の「社外役員の独立性判断基準」を満たす社外取締役が取締役会全体の3分の1以上となるよう努めています。
なお、明電舎の社外取締役は、東京証券取引所が定める独立役員の要件を満たしています。
当社の「社外役員の独立性判断基準」については、「コーポレートガバナンスに関する報告書」をご覧ください。
コーポレートガバナンスに関する報告書
②取締役候補者の選任方針・選解任プロセス
当社取締役の選任につきましては、取締役会全体としての多様性を確保し、各人の持つ知識・経験・能力をバランスよく配置することを基本的な方針としています。
また、監査等委員である取締役の選任につきましては、会計・財務・法務の知見を有する者をバランスよく配置することを基本的な方針としています。
取締役の員数は、経営課題について十分に議論が尽くせる員数として15名以内と規定しております。
上記を踏まえ、取締役会の意思決定機能・監督機能の強化に資する人選を行い、独立社外取締役を委員長とする指名・報酬委員会※(任意の委員会)の諮問を経て、取締役会の決議により指名し、取締役候補者を株主総会に上程することとしています。
なお、取締役の解任につきましては、法令又は定款に違反する行為及び取締役の選任方針から著しく逸脱する行為が判明した場合は、指名・報酬委員会の諮問を経て取締役会が解任に必要な手続きをとることとしています。
※当社は、2017年12月に任意の報酬委員会を設置。2018年12月に任意の指名委員会に相当する機能を追加し、指名・報酬委員会として設置。指名・報酬委員会は、独立社外取締役を委員長とし、社外取締役2名、取締役会長、取締役社長を委員とする4名で構成されます。
③執行役員制と業務執行体制
取締役会をスリム化して「経営意思決定の迅速化と監督機能の強化」を図るため、2003年6月より執行役員制を導入し、あわせて取締役会の機能強化を図り、取締役会が有する「経営の意思決定及び監督機能」と「業務執行機能」の分離を推進しています。
取締役会により選任された執行役員は、取締役会が決定する明電グループ経営方針に従い、代表取締役から権限委譲された範囲での特定の業務執行における役割責任を担い、代表取締役の業務監督を受けながら、機動的な業務執行を行っています。
業務執行における意思決定としては業務執行取締役及び役付執行役員が構成員となる常務会を設置しており、決裁規程における基準に基づく事項と、全社的見地から協議が必要な事項について意思決定します。
また、意思決定の会議体とは別に、レビュー・ミーティングや戦略会議等の諮問機関や社内会議体を設置し、重要な経営事項につき、意思決定に先立ち充分な議論・検討を尽くし、意思決定後の戦略・計画のトレースや取組みの改善が行える体制としています。
常務会及びその他の社内会議体における議事の概要や要点については、業務執行状況の報告として、定時取締役会において報告を行い、取締役会の実効性・監督機能の確保・向上を図っています。
業務執行に際しては、業務執行における権限を有する業務執行取締役・執行役員において決議・決裁がなされ、主体的かつ機動的な業務執行に努めています。
また、取締役会が業務執行における権限を執行役員へ大幅に委譲することに際し、取締役会による監督の実効性を確保するため、担当役員及び執行役員は、3か月に1回以上、業務執行状況報告書を取締役会に提出することとしています。
(2)取締役会の実効性評価
取締役会の監督機能強化を図るべく、取締役会の実効性に関する分析・評価を行う仕組みを設けています。
2019年度の取締役会の活動について、社外役員を含む取締役会構成員全員が取締役会の実効性評価に関する自己評価を行い、2020年5月の取締役会において、下記の議論を行いました。
i 評価項目
取締役会の構成・運営(決議・議論の方法等)、取締役会の実効性に関する自己評価、その他意見
ii 分析・評価結果の概要
各取締役・監査役における評価結果を集約し、取締役会構成員による議論の結果、運営・審議の質も充実化し、社外取締役・社外監査役の意見・助言も十分に得られており、当社取締役会の実効性は確保されているとの判断に至りました。
また、評価においては、監査等委員会設置会社への移行に伴う体制の整備を通じて、より一層の審議活性化と取締役会の監督機能の強化を推進するという方向性が確認されました。後述の取締役会以外の場での事前説明や意見交換会、説明プログラム等、明電舎の事業環境や戦略に対する理解を深めたり、議論する機会を継続的に提供していきます。
取締役会、指名・報酬委員会、監査役会の構成及び2019年度の出席状況
(期間:2019年4月1日~2020年3月31日)
氏名 |
地位(2020年3月31日時点) |
取締役会 |
指名・
報酬委員会 |
監査役会 |
浜崎 祐司 |
代表取締役 取締役会長
指名・報酬委員 |
13回/13回
〇 |
4回/4回 |
- |
三井田 健 |
代表取締役 取締役社長
指名・報酬委員 |
13回/13回 |
4回/4回 |
- |
倉元 政道 |
代表取締役 取締役副社長 |
13回/13回 |
- |
- |
森 省輔 |
取締役副社長 |
13回/13回 |
- |
- |
大橋 延年 |
取締役兼専務執行役員 |
13回/13回 |
- |
- |
竹川 徳雄 |
取締役兼専務執行役員 |
13回/13回 |
- |
- |
玉木 伸明 |
取締役兼専務執行役員 |
13回/13回 |
- |
- |
竹中 裕之 |
社外取締役
指名・報酬委員会委員 |
13回/13回 |
4回/4回
〇 |
- |
安井 潤司 |
社外取締役
指名・報酬委員 |
13回/13回 |
4回/4回 |
- |
伊東 竹虎 |
常任監査役 |
13回/13回 |
- |
6回/6回
〇 |
加藤 誠治 |
常任監査役 |
13回/13回 |
- |
6回/6回 |
秦 喜秋 |
社外監査役 |
13回/12回 |
- |
6回/6回 |
縄田 満児 |
社外監査役 |
13回/13回 |
- |
6回/6回 |
注記1. ○は取締役会・監査役会の議長または委員会の委員長
注記2. 各会議体の出席状況は(開催/出席)で表記
役員のトレーニング
取締役会・内部統制の実効性向上を目的とした役員向け法務研修を年に1回開催しています。2019年度は、全社をあげた内部統制活動の一環として、社外講師を招いたコンプライアンスやリスクマネジメントに関する役員向けの研修を実施しました。また、明電グループにおいては、当社新任役員・関係会社新任役員に対する会社法研修を実施しました。
(3)社外役員活用のための取組み
取締役会の監督機能の強化のために、社外役員の経営への積極的な参画を求め、自由闊達な議論が尽くせるよう、以下の取組みを行っています。
①取締役会における取組み
ⅰ 取締役会議案の事前説明
事前に議案の内容を確認のうえ取締役会に参加することができるよう事前説明を行っています。議案の内容に関して質問等がある場合には取締役会の際に説明できるよう準備する体制を整え、審議の活性化・充実化を図っています。
ⅱ 適時・適切な情報共有
社外役員との適時・適切な情報共有を目的として、取締役会の議事とは別に、当社に関係する時事的な話題についても取締役会において報告を行っており、当社の状況についてタイムリーに共有できるよう努めています。
②取締役会以外の場での取組み
ⅰ 説明プログラム
主に新任の社外役員の当社事業に対する理解を深めるため、当社の事業・制度の説明の場を設けています。
各事業の担当役員や事業部の長等が社外役員に事業や当社のガバナンスに関する制度について説明し、質疑応答や意見交換を行う形式としています。
ⅱ 意見交換会
取締役会付議事項以外の経営課題や戦略等の議論においても、社外役員の知見を活かすべく、法的な会議体である取締役会とは別に、毎月1回、意見交換会の場を設けています。
主にコーポレート・ガバナンスに関する事項や、当社の経営課題・戦略等を議題として活発に意見交換し、取締役会決議の前段階として議論を行う場としても活用しています。
(4)監査体制について
当社は、2020年6月26日開催の定時株主総会における承認に基づき、機関設計を従来の監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行しました。
監査等委員会は、監査等委員である取締役5名(うち3名は社外取締役)で構成され、監査等委員会を支援するスタッフ組織として監査等委員会支援部を設置しています。
監査等委員会で定めた監査等委員会監査等基準に準拠し、監査の方針、職務の分担等に従い、取締役、内部監査部門、その他各部門等と意思疎通を図り、取締役会その他重要な会議に出席し、業務・財務の状況の調査などを通じ、取締役の職務遂行の監査を行います。
監査等委員である取締役には、取締役会における議決権や株主総会における取締役の選任・報酬に係る意見陳述権などの新たな権限が与えられるため、従来の監査活動に加え、業務執行取締役への権限委任とこれを担保するガバナンスの状況の監視・監査等の新たな活動や社外取締役との更なる連携強化などを通じて、機関設計の移行の趣旨である取締役会の監督機能の一層の強化に向け、監査体制の整備と各種取組みの強化を推進します。
(5)内部監査体制について
経営監査部を設け、当社及び海外を含むグループ全体における業務の有効性・効率性に関する状況、財務報告の信頼性、関連法令等の遵守状況や資産の保全状況について、内部監査を実施しています。 また、2016年度より内部統制の強化と各部門のリスク監査の効率化を目的として、当社工場と国内関係会社でCSA(統制自己評価)を用いたリスクマネジメントを実施しています。
2019年度は、「スリーライン・ディフェンスとCSA(Control Self Assessment)の推進」「不備・不正の未然防止の強化」「監査の質的向上と徹底したフォローの実施」の3つの基本方針の下で活動を展開し、リスクマネジメントの外部評価や担当役員への個別監査報告などの新たな取組みを行い、内部統制機能の強化を図りました。
2020年4月より、経営監査部及び新設のリスクマネジメント部で構成される内部統制推進本部を設置し、内部統制の推進体制を強化しました。監査等委員会と連携した内部監査により内部統制システムのモニタリングを行うとともに、専任の部門がグループ全体を統合するリスクマネジメントの構築を行うことで、内部統制機能の強化を更に推進します。