明電グループでは、毎年「社長安全衛生管理方針」を策定し、これに基づいた安全衛生活動を展開しています。社長方針は、明電舎及び関係会社(海外関係会社へは英語版、中国語版配信)の各事業拠点及び工事部門に加え、国内外の関連する下請業者も含めた総合的な指針となっています。
従業員一人ひとりの安全と健康の確保が企業経営の大きな基盤となることを明示し、労働災害の撲滅、健康保持・増進を目指して取り組んでいます。
2020年度 社長安全衛生管理方針
「安全はすべてに優先する」
「健康はなにものにも代え難い財産」
明電グループは、従業員が安全で健康であることを経営の中心的価値と捉え、全ての国・地域での事業において安全衛生に対する『人の意識』向上と4M※の継続的な改善により、企業行動基準である「安全で働きやすい環境を確保し、従業員のゆとりや豊かさの実現に努める」を実践します。これらの活動を通じ、明電グループが安全で健康的な職場を実現する、安全衛生のリーディングカンパニーとなることを目指します。
※4M : 管理(Management)、設備(Machine)、方法(Media)、人(Man)
(1) 安全と健康の確保は、良好なコミュニケーションのもとに実現されるとの認識に立ち、従業員との協議と参加を尊重し、全員参加で働きやすい職場環境の改善を図る。
(2) 労働安全衛生法をはじめとする関係法令及びその他の要求事項と、各部門や職場の安全衛生に関する「決められたルール」を遵守し、管理レベルの向上を図る。
(3) 安全衛生マネジメントシステムを推進し、従業員と協力して継続的にPDCAサイクルを回すことで明電グループ全体の安全衛生水準を向上させる。
(4) あらゆる職場でリスクを許容可能なレベルまで除去・低減させ、安全で衛生的な職場を実現し、適正に管理することで労働災害と職業性疾病の防止を図る。
(5) 安全衛生教育を繰り返し行い、正しい知識と技術を習得し、日頃から安全衛生への意識を向上させ、安全の大切さを体感する機会を増やし一人ひとりの感性を高める。
(6) 従業員全員が自身の健康に対する意識を高め、心と身体の健康増進に努める。
(7) 新型コロナウイルス対策を推進する。
明電グループでは「健康はなにものにも代え難い財産」と捉え、従業員の健康に対する各種施策や制度を実施しています。具体的には、定期健康診断結果における有所見者への事後フォロー、メンタルヘルス対策、長時間労働者の健康管理、各種健康教育等を継続して実施しています。2019年度には、「明電グループ 健康経営宣言」を行い、健康への取組みの更なる強化を進めています
明電グループの企業理念「より豊かな未来をひらく」の実現のためには、従業員が心身ともに健康な状態を維持し、生き生きとやりがいを持って働くことが重要です。今後も健康が財産という想いを全員で共有し、従業員の自発的な健康活動に対する積極的な支援など、一人ひとりの健康を組織で支える活動を推進していきます。これら取組みを通じて従業員及びその家族が生き生きと健康に過ごすことのできる会社の実現に努めてまいります。
明電グループの企業理念「より豊かな未来をひらく」の実現のためには、従業員が心身ともに健康な状態を維持し、生き生きとやりがいを持って働くことが重要です。
『健康は、なにものにも代え難い財産』という想いを全員で共有し、従業員の自発的な健康活動に対する積極的な支援など、一人ひとりの健康を組織で支える活動を推進していきます。これらを通じて従業員、そしてその家族が生き生きと健康に過ごすことのできる会社の実現に努めます。健康経営の「5本柱」をさだめ、『健康で豊かな社会生活を送ることができる会社づくり』に取り組むことを宣言します。
明電グループでは、OHSAS18001に関して、2015年度に主要国内4生産拠点である太田事業所、沼津事業所、名古屋事業所、(株)甲府明電舎にて構内関係会社を含め拠点別に認証を取得し、また、2013年度にはMEIDEN SINGAPORE PTE.LTD.、2017年度には明電舎(鄭州)電気工程有限公司と上海明電舎長城開関有限公司、P.T. MEIDEN ENGINEERING INDONESIA、PRIME MEIDEN LTD.の海外主要5拠点にて認証を取得しました。
2018年度からは、労働安全衛生マネジメントシステムのグループ全体への適用拡大と、国際規格への対応のニーズから、ISO45001への認証移行を進めています。
2019年度には労働安全衛生の国際規格であるISO45001を主要国内4生産拠点合同(太田事業所、沼津事業所、名古屋事業所、(株)甲府明電舎 ※構内関係会社含む)で認証を取得しました。
2020年度は生産拠点以外の国内事業場でのISO45001の認証取得拡大を予定しています。
今後も明電グループは、全拠点での労働安全衛生マネジメントシステムの構築・推進を目指し、グループ全従業員が安全で安心して健康的に働ける職場環境づくりに努めていきます。
地区 | 範囲 |
---|---|
太田地区 |
明電舎(工場、研究開発部門、スタッフ部門)、構内関係会社※※構内関係会社: 明電機電工業(株)、明電興産(株)太田支社、明電ファシリティサービス(株)、明電システムソリューション(株)太田支社、明電ユニバーサルサービス(株)本社 |
沼津地区 |
明電舎(工場、研究開発部門、スタッフ部門)、構内関係会社※※構内関係会社 : 明電システム製造(株)、明電興産(株)沼津支社、明電商事(株)沼津支店、 明電システムソリューション(株)本社、明電ユニバーサルサービス(株)沼津支店、明電テクノシステムズ(株)本社、明電プラントシステムズ(株)装置工場、明電ファシリティサービス(株)、明電ケミカル(株)本社 |
甲府地区 |
(株)甲府明電舎、明電舎(EV事業部甲府駐在、電動力応用事業部) |
名古屋地区 |
明電舎(工場、研究開発部門、スタッフ部門)、構内関係会社※※構内関係会社 : 明電システムソリューション(株)名古屋支社、明電ユニバーサルサービス(株)名古屋支店 |
地区 | 範囲 |
---|---|
海外現地法人 |
上海明電舎長城開関有限公司、明電舎(鄭州)電気工程有限公司、MEIDEN SINGAPORE PTE.LTD.、P.T. MEIDEN ENGINEERING INDONESIA、PRIME MEIDEN LTD. |
経済産業省と日本健康会議が共同で選定する「健康経営優良法人認定制度」にエントリーし、健康経営優良法人2020「大規模法人部門」に認定されました。「健康経営優良法人」認定にあたっては、社内の健康管理を進める組織体制の整備、健康診断結果等の情報より、リスク保有者に的を絞った取組みが評価されました。
主要国内4生産拠点で、卒煙教室を開催し、喫煙による健康障害の可能性や、受動喫煙についての啓蒙を行いました。ICT利用によるオンライン卒煙援プログラム参加の希望者を募り、11名が卒煙にチャレンジしました。
卒煙プログラム参加者募集のポスター
2009年度より進めてきた、生活習慣病などの疾病の発生予防を目的に、適正体重維持者率(40歳未満)の向上について、70%以上を目標に活動していましたが、71.9%となり、目標を達成しました。
ストレスチェックの結果については、高ストレス者への医師面談の勧奨など、セルフケアのための個人アプローチは継続して実施しました。ラインケア対策の一助とするべく、集団分析の結果を部門ごとにタイプ分けし、部門の課題を把握しやすくしました。分析の結果については、管理監督者に説明し、別途行われた従業員意識調査の結果とともに共有し、職場改善ための活動に役立てています。
グループ全体 | 労働災害 | 職業性疾病 | 病欠勤日数 | 交通事故 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
休業災害 | 不休災害 | 全体 | うちメンタル | |||
2019年度 (目標値) |
6件 (前年比20%減) |
3件 (前年比30%減) |
0件 | 11,690日 (前年比5%減) |
7,909日 (前年比10%減) |
33件 (前年比10%減) |
2019年度 (確定値) |
6件 | 5件 | 0件 | 14,943日 | 10,990日 (1ヶ月以上休職者17名) |
38件 |
2020年度 (目標値) |
3件 (前年度比50%減) |
4件 (前年度比20%減) |
0件 | 14,196日 (前年度比5%減) |
10,441日 (前年度比5%減) |
34件 (前年度比10%減) |
項目 | 2016年※1 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 |
---|---|---|---|---|
休業災害度数率※2 | 0.96 | 0.29 | 0.99 | 0.60 |
休業災害強度率※3 | 0.02 | 0.00 | 1.28 | 0.00 |
死亡者数(名) | 0 | 0 | 1 | 0 |
休業災害件数(件)※4 | 6 | 2 | 6 | 1 |
不休災害件数(件) | 9 | 5 | 3 | 3 |
※1 暦年の集計とする。
※2 「度数率」とは、100万延実労働時間当たりの労働災害による死傷者数で、災害発生の頻度を表す。
同一人が1回以上被災した場合には、死傷者数はその被災回数として算出している。
※3 「強度率」とは、1,000延実労働時間当たりの労働損失日数で、災害の重さの程度を表す。
※4 休業災害件数について、明電舎独自の算出規程により、休業1日以上とする。
安全成績推移(明電舎単体)
※発生件数に微小災害は含みません。
項目 | 2018年度 | 2019年度 |
---|---|---|
労使合同安全衛生委員会に代表を送る労働者(業務または職場が組織の管理下にある)の労働者全体に対する割合 | 1.56% (37人(代表者)/2,368人) |
1.45% (40人(代表者)/2755人) |
項目 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | ||
---|---|---|---|---|---|
喫煙者のうち卒煙プログラム参加人数 | - | - | 11 | ||
明電スマートウオーキング参加人数 | - | 612 | 767 | ||
健康Web「kencom (ケンコム)」登録者数 | - | 1502 | 1663 | ||
定期健康診断受診率 | 99.4 | 100 | 100 | ||
精密検査・再検査・治療受診率(%) | 63.9 | 72 | 69 | ||
ストレスチェック実施率(%) | 91.6 | 91.2 | 96.1 | ||
高ストレス者面接率(%) | 4 | 2 | 4 | ||
平均休暇取得 | 4-7 労働慣行 「スマートワーク2020」のビジョンと目標値 に掲載 | ||||
平均残業時間 | |||||
80時間/月を超える時間外勤務(法定外労働)の発生人数 | |||||
喫煙率(%) | 26.4 | 24.7 | 24.0 | ||
定期健康診断結果(有所見者率%) | 肥満※BMI25以上 | 男性 | 33.4 | 34.9 | 35.0 |
女性 | 17.9 | 20.9 | 20.7 | ||
全体 | 31.2 | 32.8 | 32.8 | ||
血圧リスク者率※収縮期血圧 180 mmHg以上または拡張期血圧 110 mmHg以上の人の割合 | 1.8 | 0.6 | 0.5 | ||
血糖リスクと考えられる人の割合※空腹時血糖が200mg/dl以上の人の割合 | 0.5 | 0.5 | 0.4 | ||
一人当たりの医療費(円) | 170255 | 178000 | 174772 | ||
一人当たり保健事業費(円) | 16883 | 16590 | 16799 | ||
アブセンティーズム(病欠・休職者割合(%)) | 0.32 | 0.29 | 0.43 | ||
絶対的プレゼンティーズム(東大1問式)損失割合(%) | - | - | 20 | ||
離職率(%) | 4-7 労働慣行 実績データに掲載 |
明電グループでは、基本的な労働安全衛生対策を、下記11項目の視点で推進しています。
労働安全衛生マネジメントシステムに基づいたリスク管理、安全衛生活動を推進し、組織的な安全衛生管理体制を維持・向上させる。
法的要求事項を漏れなく網羅し、順守状況を把握して、コンプライアンスを確実にする。
危険・有害要因に対する「人の感性」を高める。
当社及び全国の労働災害の特徴を踏まえ、転倒・高所作業・電気災害を中心としたリスクの大きい事故、及び未熟者・高年齢労働者等の高リスク属性に対して予防活動を推進する。
労働衛生の3管理を(作業環境管理、作業管理及び健康管理)を適正に実施し、作業環境の改善、維持管理し、職業性疾病を予防する。
2S(整理、整頓)を中心として5S(2S+清掃、清潔、躾)を推進し、安全できれいな職場環境を実現する。
特に通勤における交通事故を予防・対策し、交通事故防止に向けた活動を推進する。
構内交通ルールの従業員及び来訪者への周知徹底と、構内及び工場等施設内の安全通路の整備を行う。
工場・工事部門に加えスタッフ部門にも、日常的な安全活動の活性化を図り、職場の安全性向上と安全文化を醸成する。
作業リスクの洗い出しを徹底し、高リスク作業については改善計画を立てて、リスク低減を推進する。
労働災害・健康障害防止の大きな柱である、安全衛生教育の充実を図る。
明電グループでは、長い歴史の中で多くの労災発生を経験しています。
これまでもKYK(危険予知活動)やリスクアセスメントの実施、安全パトロール、安全衛生マネジメントシステム(OHSAS18001、ISO45001)の導入等の様々な労災減少の取組みを行ってきました。
これらの実体験での反省を陳腐化させないために、独自の取り組みを行っています。
工事現場での安全教育推進のため、2014年に安全体感車1号車を製作し、直接工事現場へ赴いて、現場で働くグループ従業員や下請負業者等の作業従事者に安全教育を実施してきました。また、明電舎と同様に、工事現場での安全教育に悩みを持たれている企業へも安全教育を外販しています。
2019年11月には、製造現場での作業に従事する従業員の安全教育を目的とした安全体感車2号車を製作し、教育を開始しました。
安全体感車1号車・2号車では、実際に体験することができない労災を仮想空間で体感できるVRを使用し、転落・墜落、フォークリフトへの衝突等の体感教育を可能としています。
2020年1月には、過去の労災に向き合うために「安全伝承館」を開設しました。
労災は発生した直後には全社一丸となり「同じ過ちを繰り返してはならない」という強い思いを持ちますが、時間が経過するとともにその思いが風化・形骸化していってしまいます。特に労災を発生させた職場の担当者が異動してしまうと、労災の事実の風化・形骸化が加速しているのも事実です。
発生した労災の事実を語り続け、考える場を提供したいと考え、「安全伝承館」を設立するに至りました。
私たちは哀しい労災の事実から目を背けることなく語り続けるのが、同じ企業で働くものとしての使命だと考えています。
明電グループは、安全体感車による教育で「体」に安全を記憶し、更に安全伝承館による「心」に刻む教育を通じて、安全意識の向上と災害ゼロの取組みを進めてまいります。
役員・従業員によるパトロールに加え、第三者によるパトロールを行うことで、日頃気づきにくい危険を見つけ改善しています。生産・安全・品質担当役員自らが改善の状況を確認することで安全の重要性を伝えています。
明電グループでは、労働災害が一定期間発生していない部門に対し、経営トップである社長自らが表彰し、安全への取組みを称えることで、職場単位での安全に関する意識の向上、活動の加速を促す機会を継続的に設けています。
2014年度からは、東南アジア地域現地法人の現地スタッフ及び作業員に対する労働安全衛生教育(安全体感教育含む)及び品質管理教育を継続的に開催しています。
2018年度からは現地法人のQEHS責任者を日本に招待し、現場における労働安全・品質管理・環境分野の総合的な教育を実施し、海外における「日本のものづくり」のプロフェッショナルの育成に寄与しています。
明電舎オリジナルの「現場安全衛生管理基準(総則_日本語・英語併記版)」
グループ全従業員へのe-ラーニングによる労働安全衛生教育を2019年度から始めています。労働災害や健康阻害の要因について分かりやすくまとめ、繰り返し情報配信することで、認識の共有、意識の向上を図り、災害の事前防止に役立ててまいります。
喫緊の対応が必要な健康課題は、メンタルヘルス対策、喫煙対策、若年層を含む生活習慣病対策、がん対策という認識のもと、健康経営の「5本柱」のうち、
3.メンタルヘルス推進体制の強化とメンタル疾患を生み出さない職場づくりの推進
4.タバコによる健康被害の防止
5.健康問題の予防・対処のための健康診断・保健指導・予防支援の推進
を重点的に取組む活動とします。
明電舎が取り組むべき健康活動を5つ設定し、「スマートチャレンジ明電5」と銘打ち、活動を展開していきます。
① チャレンジ1(受動喫煙対策&卒煙プログラム推進)
喫煙場所及び喫煙可能時間の段階的な縮小と、引き続きオンライン禁煙支援プログラムを利用した卒煙を推進します。
②チャレンジ2(生活習慣病対策-UNDER-39)
40代前の若年層における、将来の肥満予備軍に対し、ICTを利用した健康指導プログラムを提供し、運動習慣の定着など、将来の生活習慣病に発症に対する予防を進めます。
③チャレンジ3(生活習慣病対策-OVER-40)
特定保健指導対象者に対し、ICTを利用した健康指導プログラムを提供し、特定保健指導の参加を徹底します。
④チャレンジ4(がん対策)
女性がん定期健診の実施と、すべての大腸がん精密検査対象者について受診が確実に受けられるよう活動していきます。
⑤チャレンジ5(心の健康づくり推進)
「心の健康づくり計画」に則り、セルフケアのために、メンタルヘルス・マネジメント®検定試験取得のための補助や教育を行います。ラインケアとしては、集団分析の結果を踏まえ、メンタル不全を防止する職場改善のみならず、品質、生産性の向上と心の健康の向上との相関に着目した評価と分析を行っていきます。メンタル不調の長期化・再発を低減するために、職場の環境調整も含めた「復職支援」のルールと体制を整備していきます。
健康保険組合、労働組合、産業保健スタッフ、安全管理スタッフが集まり、コラボヘルス委員会を組織し推進していきます。各計画の展開、フォローについては、ISO45001(労働安全衛生マネジメントシステム)の仕組みを利用し、効率的な健康活動を展開していきます。健康情報管理システムを導入し、客観的なデータに基づく課題の分析と効果の分析を行います。
「健康経営優良法人2020」には認定されましたが、今後は「健康優良法人(ホワイト500)」の認証取得を目指し、社会的課題やニーズを踏まえたうえで、従業員の健康維持増進に資する施策に積極的に取り組んでいきます。